邦画大好き丸の感想文

黄金時代は去ったのか? いや、まだ邦画にも面白い作品は生まれるはずだ、多分

【感想】それいけ!ゲートボールさくら組

藤竜也、80代最初の主演映画合計379歳のベテラン俳優陣集結「それいけ!ゲートボールさくら組」23年初夏公開 - Ameba News ...

それいけ!ゲートボールさくら組

2023年公開

監督 野田 孝則

 


www.youtube.com

 

◉あらすじ(公式HPより めちゃくちゃ長いので一部省略)

 

織田桃次郎(藤竜也)76歳。学生時代にラグビーで青春を謳歌したのはもう60年ほど昔の話で、光り輝いていた青春時代は、はるか遠い記憶の彼方だ。愛する妻が遺したレストランをカレー専門店「MoMo八番屋」として続けてはいるが、寂しさと物足りなさを感じる日々を送っていた。そんなある日、かつてラグビー部で、いつも自分たちを励まし続けてくれたマネージャー・木下サクラ(山口果林)と再会。彼女が経営するデイサービス“桜ハウス”が倒産の危機と知り、元ラグビー部の仲間を集結させて、何かできないかと模索する桃次郎たち。桜ハウスを立て直すため銀行から融資を受けるには、加入者を増やすことが必要条件。そこで、試行錯誤の末にたどり着いたのは、ゲートボール大会に出場して優勝を目指し、施設の知名度を上げることだった!固いチームワークで困難を乗り越え、桜ハウスを救うことはできるのか?

 

◉私的評価

★★★★☆☆☆☆☆☆   4/10

◉総評

 

一言でいえば、野暮ったい映画。

 

まず、映画の大半を占めるコメディシーンのセンスが、圧倒的に自分には合わなかったです。演出や効果音のセンスも平成初期くらいにありそうな感じでしょぼいし、笑いどころもあんまりおもしろくない。特に、ゲートボールのスティックを握って「シャキーン」っていうやつ。共感性羞恥ビンビンマックスでした。

あとは、認知症を笑いに変えようとしているようなシーンが結構あるんですけど、素直にこれを面白いと思っていいのかすごく葛藤がありました。認知症の演技だけはいやにリアルだし。

 

次に映像面ですが、CGの出来がひどい。令和のシネコンでかかる映画とは思えない。ほんとにちょっとしかCG使ったシーンはないんですが、それだったら最初から使わないほうがよかったんじゃないかと思う。あと、肝心のゲートボールがあんまり映らないのもどうかと。確かに地味なんだけど、主題なんだからもっとシーンが欲しかったし、面白くなるような工夫もしてほしい。基本的に試合の一部だけ流して、あとはスコアボードで経過だけ見せるみたいなのが多く、省エネだなぁ、と感じてしまった。

演技も演技で、見るに堪えないシーンがちらほらありました。演技力、というよりかはシーンが全体的にもっさりしていて、すっげえ学芸会感。全員で声をそろえて驚くとか、久しぶりに見た気がする。

 

あとはキャラクター描写がすごく薄い。

話の展開は凄い好みで、昔の友達が集まって頑張るぜ、みたいなのって自分めっちゃツボなんです。特に「昔はこういうことがあって~」からの現在に繋がる流れが好きなんですよ。わかるかな、わかるよね。

でも今作にはそういうのが用意されてるのって主人公とヒロインだけなんです。他のメイン4人は、過去編が流れた時にいることはいるんだけど、誰が誰の若い姿なのか分からないくらいに話に絡まない。まーじでいるだけ。

だから、「変わらない友情」とか「ラグビーで培ったチームワーク」とか言われても、見ている側はその歴史がほとんど情報としてないので、どうしても温度差が出来てしまう。

過去と現在に加えて、メイン5人+ヒロイン1人。これだけを1本の映画で観客が満足できるくらいに描写するのってめちゃくちゃ難しいと思うんですよ。だからまあ、仕方ないといえば仕方ないんだけど……。

後半詰め込まれている本筋とはあまり関係ないお涙頂戴展開(引きこもりの息子が更生したり、引っ込み思案な孫が実は自分のこと大好きだったり、唐突に出てきた嫁がプレゼントを贈ったりetc...)をもっと削れば、ましになったのかなぁなんて思ったり。

 

とまあ、ぼろくそに書いてはいますが、全部が全部クソ映画かと言われればそうではなく。褒められる点もありました。

 

例えば、ストーリーに関して言えば、商業映画としてかなり綺麗にまとまった作品だったと思います。

すっごい王道で、わかりやすい勧善懲悪。大筋だけ見れば、非常に飲み込みやすい起承転結となっていて、それぞれに対する時間の使い方もちょうど良い。メインターゲットがおそらく中高年になると思うので、そこに目掛けて、しっかりエンタメを意識した構成になっている。

 

あとは、悪役側のコメディリリーフ的な感じは結構好きだった。そっち側だけ脚本と演出違う人がやってんじゃない、と疑うくらいに別物でした。

 

よし。これで賛否のバランスはとれた?ので、最後にこの映画の一番悪かったと思う点を伝えます。

 

ゲートボールのルールは最低限説明しろよ!!

最後、何点差で逆転だー!! みたいに盛り上がってるけどさ!!

置いてけぼりなんだよこっちは!!

なんだよ、唐突に!! パスを繋げって!?

そして最後、何故あれで点数いっぱい入るんだよ、理解できねえよ!!

 

はい。以上です。

 

あ、あと一番最初に書いたけど公式HPのあらすじ、マジで今まで見てきたどんな映画の公式あらすじよりもくっそ長いから是非見てほしいです。本編の9割方説明しちゃってます。そういうところもセンスがないんだよなあ