邦画大好き丸の感想文

黄金時代は去ったのか? いや、まだ邦画にも面白い作品は生まれるはずだ、多分

【感想】グッバイ・クルエル・ワールド

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グッバイ・クルエル・ワールド

2022年公開

監督 大森立嗣


www.youtube.com

 

◉あらすじ(公式HPより)

 

夜の街へとすべり出す、水色のフォード・サンダーバード。カーステレオから流れるソウルナンバーをBGMに交わされるのは、「お前、びびって逃げんじゃねーぞ」と物騒な会話。互いに素性を知らない一夜限り結成された強盗団が向かうのは、さびれたラブホテル。片手にピストル、頭に目出し帽、ハートにバイオレンスで、ヤクザ組織の資金洗浄現場を“たたく”のだ。仕事は大成功、大金を手にそれぞれの人生へと戻っていく。──はずだった。ヤクザ組織、警察、強盗団、家族、政治家、金の匂いに群がるクセ者たち。もはや作戦なんて通用しない。クズ同士の潰し合いが始まる。最後に笑うのは誰だ!

 

◉私的評価

★★★★☆☆☆☆☆☆   4/10

 

◉総評

 

100点満点の始まり方からどんどん尻すぼみしていく悲しい映画。

 

オープニングを見た時の期待感は本当に高かった。カッコいいせりふ回しにスピーディーな襲撃シーン。大音量のBGMもシーンの迫力にマッチしていて、ぐいぐいこちらを引き込んでくる。最初からクライマックス、という言葉はこの映画のためにあるといっても過言ではない。

 

だが、残念なことにこの映画は本当にそこがクライマックスだったのだ。映画はその後、それぞれの人物のストーリーへと展開していくのだが、それが非常に散らかっていて見難い。こういうシーンを撮りたいっていうのを詰め込みすぎていて、それぞれの繋ぎ方が雑になっている印象を受けた。

 

それでもまだ、それなりに面白く見れていたのだが、終盤が本当にひどい。ある2人組が暴走していくのだが、理由付けも一切ないため、彼らの行動に理解が追いつかない。そしてそのまま、どんどんその2人によって物語が終焉に持っていかれているような感じだった。

 

あとは、ど派手なアクションを撮りたいのか、人間の感情が揺らぐのを撮りたいのか、そこのところが中途半端になっていた感じ。別に極端にどちらかに寄せなくてもいいとは思うが、あまりに宙ぶらりんな構成だったので、見ている側としては物足りなさがある。

 

演技については素晴らしい出来だったと思う。特に、斎藤工演じる萩原がすっごい好みのタイプのやべえ奴で、個人的にもっと出番を増やしてもよかったんじゃないかと。あっけなく退場してしまって、本当に残念だった。他には、玉城ティナさんは本当に可哀そうな役がよく似合うと思いました。こちらは満足です。

 

まとめると、退屈ではないが面白くないタイプの映画という、珍しい感じの感想でした。期待感が強かっただけに非常に残念………。あと、見る人に注意だけど、一部非常に強いフラッシュが連続するシーン、つまりポリゴンショックなところがあるので、そういうのに弱い人はちょっと辛いかもしれません。