邦画大好き丸の感想文

黄金時代は去ったのか? いや、まだ邦画にも面白い作品は生まれるはずだ、多分

【感想】犬も食わねどチャーリーは笑う

ソース画像を表示

犬も食わねどチャーリーは笑う

2022年公開

監督 市井昌秀


www.youtube.com

 

◉あらすじ(公式HPより)

 

この物語の主人公、裕次郎と日和は結婚4年目の仲良し夫婦? というのは(もちろん)表向き。鈍感夫にイライラする日和は、積もりに積もった鬱憤を吐き出さなきゃやってらんないわー! と、出会ってしまったのは、SNSの〈旦那デスノート〉。そこには妻たちの恐ろしい? 本音、旦那たちが見たらゾッとするようなエグイ投稿がびっしり書き込まれていた。そしてある日、裕次郎もその存在を知ってしまう!「これって俺のことか?」気になる投稿のペンネームはチャーリー。日和と一緒に飼っているフクロウの名前もチャーリー…ってことは! 夫婦ゲンカのゴングの鐘が、いま鳴り響く!!

 

◉私的評価

★★★★★★☆☆☆☆   6/10

 

◉総評

 

昔、島忠に関わるような仕事をしていたので、職場のシーンではすごくニヤニヤしながら見ていました。社是がこっそり出てくるところとか、多分関係者ピンポイントで狙い撃ちにされている気がします。

 

あとは、二人の出会いのシーンで、手が届かないところにある商品を香取君が取ってあげるシーンがあるんですけど、あんな高い位置に商品を引っ掛けているのはおそらくゴンドラを組み立てるときに間違っているし、エリアマネージャーとかに見つかったらキレられると思うから、早く修正したほうがいいと思う。

 

とまあ、そんなことはさておき、今作は非常に惜しい作品だったなと思いました。ネタバレになるので経緯は省きますが、結婚式のスピーチシーン。これをどうしてラストに持ってこなかったのか。まあ、原作ありきなら仕方ないかもだけど・・・。

 

このシーン、伏線の使い方も上手いし、香取君の演技もいいしで、作中でもずば抜けて完成度が高く、めちゃくちゃ盛り上がるんですよ。んで、喧嘩していた夫婦も仲直り。物語的に最高潮なわけです。でも、何故か上映時間はまだ結構残っている。はっきり言ってしまえば、ここからもう一度夫婦喧嘩が始まるわけですが、見ている側としてはもう最高のハッピーエンドを迎えているわけで、え、またやるの?って拍子抜けしてしまうんですね。

 

肝心の本当のラストはというと、結婚式のシーンに比べるとだいぶ見劣りするというか、かなり悪ノリが目立ってて、個人的には好きじゃありませんでした。コメディにしても突拍子がなさすぎるというか。まあ、個人の感想なので好きな人は好きだと思うけど。

 

そこの構成部分以外はホントにいい作品なんですよ。笑いあり涙ありって感じで、まさしく王道の。あとは過去と現在のシーンが割と入れ替わるんですけど、そこも混乱することなく綺麗にまとめていたし。何回も言うけど本当に惜しい。

 

キャストの部分も文句なしなんです。主演の岸井さんはこの前見た『神は見返りを求める』と打って変わって控えめで普通な主婦って感じだったんですけど、感情の振れ幅を表現する演技力が相変わらず上手い。個人的に2022年で一番きている女優さんだと思います。あとは余さんの存在感。

 

それと、この作品の隠れた主人公であるフクロウのチャーリー君がとてもかわいい。ほしいなぁ、フクロウ。飼いたい。この映画を見た人は多分みんなそう思うんじゃないでしょうか。

 

まとめると、犬が夫婦喧嘩を食べないのはこの映画みたいに消化不良になるからで、でもチャーリーは可愛いから最終的には笑顔になれる、という感じのタイトル回収だったんだと思います。すごい!!