【感想】ペンギン・ハイウェイ
2018年公開
監督 石田 祐康
◉あらすじ(wikiより)
研究者肌でおっぱいに多大な関心を持つ小学四年生のアオヤマ君の住む街で、ある日突然、ペンギンの群れが出現する怪事が起こり始めた。ペンギンの正体と彼らの目指す先についての研究「ペンギン・ハイウェイ研究」を始めたアオヤマ君は、顔なじみの歯科医院のお姉さんがペンギンを出現させる瞬間を目撃する。だが、なぜペンギンを出せるのかは、お姉さん自身にも分かっていなかった。
ペンギンの出現法則を解明しようとお姉さんと実験をする一方で、アオヤマ君は、友人のウチダ君、同じクラスのハマモトさんとの三人で、ハマモトさんが発見した森の奥の草原に浮かぶ謎の球体〈海〉についての研究を始める。やがてアオヤマ君は、〈海〉とペンギンとお姉さんの奇妙な関連性に気づくのだった。
◉私的評価
★★★★★★★★★☆ 9/10
◉総評
最高のおねショタアニメだったよ!
何よりキャラがいい。俳優2人が演じる主役は不安だったけど、めちゃくちゃ演技上手かったし。
クールで大人びていて、だけど天然っぽい少年アオヤマ君と、自由奔放なお姉さんの絡み、最高に尊かったです、はい。「僕は多忙なんだ」とか言っちゃう癖についついおっぱいに目がくらんで、「胸ばっかり見ない」とお姉さんに注意されるとか、もうさいきょうですよね。
夜のカフェでお姉さんとふたり、チェスをするとか、そんな少年時代送りたかったよ! それでお姉さんが船を漕ぎ出して、「今日はお姉さんが眠いんですね」とか言ってみたかったよ!
とまあ、主役2人の会話シーンが一番好きなんだけど、こいつら妙にウェットに富んだ会話をしやがるから、文章に起こすと冗長になりそうなんだ。でもそれをテンポ良く演じているから非常に面白いシーンになってるんだと思う。
脚本はヨーロッパ企画の上田誠氏。「四畳半神話大系」もこの人だったけど、もう森見作品のエキスパートだと思う。あっちは原作も読んでたけど、原作シーンの取捨選択が上手いんだよ。魅力を殺さず、さらに飾り付ける職人芸だね。
話の大筋は謎解きのSFなんだけど、もう1つの筋としてアオヤマ君のお姉さんへの淡い恋心を描いたラブストーリーもある。2つの本筋がバランス良くて、どちらも殺しあってない。そこに脚本の妙を感じます。
映像的には基本「静」のシーンが多いんだけど、ラスト間際ペンギンと町を駆け巡るシーンは躍動感あふれてて今までとのギャップも含めて非常に印象的だ。その前のペンギンを整列させるお姉さんのシーンも好き。
てか、ペンギンの動作一つ一つが可愛くてそこも良かった。
あとは、お姉さんの「おっぱい」に並々ならぬこだわりを感じました。いえ、ヤラシイ意味ではありません。やっぱりそこは原作に忠実にしないと。とても良いお椀型でした。
とまぁ、グダグダと書きましたが総合的にみて非常に出来の良いアニメ映画でした。大人にも子供にもおススメできるアニメは貴重です。
夏の終わりにこの映画に出会えて、本当に良かったと思います。少年時代の「風景画」を描いたという原作者の言葉通り、あの頃に抱いていた好奇心や恋心が蘇ってくるような、そんな「ひと夏の物語」を描いた作品でした。
おねショタは、いいものだ。
◉追記
パンフレットもめちゃくちゃいいので買いです。
各種インタビュー他、作中で出てきた「アオヤマくんのノート」がまとめられていて、映画鑑賞後に見直すと二度美味しい感じ。